【コラム】Human abundanceが大切にしているSDGs、ESGとは
「SDGs」という言葉をTVや新聞で目にする機会が増え、世の中の意識が高まっていることを感じる。「SDGs」とは何なのか、いまいちピンとこない方も多くいるだろう。
実際、朝日新聞社の調査(2020年3月。※1)では、「聞いたことがある」と答えたのは32.9%であり、7割近くはまだ耳にしたことが無いようである。また、聞いたことはあるもののそれが何を指すのか「ほとんど知らない」、「まったく知らない」という人が約3割であるとのことだ。
しかしこの「SDGs」、私たちが未来に向かっていく中で、「今の」私たちにとって非常に重要なものなのである。そして、これを考えない(知らない)では済まされない。
それでは「SDGs」とはどのようなものか、知ることから始めてみよう。
◆「SDGs」とは
「SDGs(エスディージーズ)」とは「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略である。持続可能でより良い世界を、世界全体で目指していこうという世界の共通目標であり、17のゴールを掲げている。
具体的には下記の17項目である。(※2)
1.貧困をなくそう
あらゆる場所あらゆる形態の貧困を終わらせる
2.飢餓をゼロ
飢餓を終わらせ、食料安全保障及び栄養の改善を実現し、持続可能な農業を促進する
3.すべての人に健康と福祉を
あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進する
4.質の高い教育をみんなに
すべての人に包摂的かつ公正な質の高い教育を確保し、生涯学習の機会を促進する
5.ジェンダー平等を実現しよう
ジェンダー平等を達成し、すべての女性及び女児のエンパワーメントを行う
6.安全な水とトイレをみんなに
すべての人々の水と衛生の利用可能性と持続可能な管理を確保する
7.エネルギーをみんなに そしてクリーンに
すべての人々の、安価かつ信頼できる 持続可能な近代的なエネルギーへのアクセスを確保する
8.働きがいも経済成長も
包摂的かつ持続可能な経済成長及びすべての人々の完全かつ生産的な雇用と働きがいのある人間らしい雇用(ディーセント・ワーク)を促進する
9.産業と技術革新の基盤をつくろう
強靭(レジリエント)なインフラ構築、包摂的かつ持続可能な産業化の促進及びイノベーションの推進を図る
10.人や国の不平等をなくそう
国内及び各国家間の不平等を是正する
11.住み続けられるまちづくりを
包摂的で安全かつ強靭(レジリエント)で持続可能な都市及び人間居住を実現する
12.つくる責任つかう責任
持続可能な消費生産形態を確保する
13.気候変動に具体的な対策を
気候変動及びその影響を軽減するための緊急対策を講じる
14.海の豊かさを守ろう
持続可能な開発のために、海洋・海洋資源を保全し、持続可能な形で利用する
15.陸の豊かさも守ろう
陸域生態系の保護、回復、持続可能な利用の推進、持続可能な森林の経営、砂漠化への対処ならびに土地の劣化の阻止・回復及び生物多様性の損失を阻止する
16.平和と公正をすべての人に
持続可能な開発のための平和で包摂的な社会を促進し、すべての人々に司法へのアクセスを提供し、あらゆるレベルにおいて効果的で説明責任のある包摂的な制度を構築する
17.パートナーシップで目標を達成しよう
持続可能な開発のための実施手段を強化し、グローバル・パートナーシップを活性化する
環境、社会、雇用、教育、経営等、様々な課題に対して、私たちの未来への持続性を考えた具体的な目標である。
2015年9月の国連サミットで採択され、2016年から2030年の15年間で、この17のゴールを達成しようとしている。
◆「ESG投資」とSDGsの関係性
何故今「SDGs」がそれほどに注目されているのだろうか。それにはもう一つ、理解しておきたい言葉がある。「ESG投資」だ。
「ESG」(※3)は「環境(Environment)・社会(Social)・ガバナンス(Governance)」の略であり、この3つの要素に配慮して日々の企業活動を行っていく企業はサステナビリティ(持続可能性)が向上し、将来的にSDGsの目標達成の実現にも貢献していくと考えられている。投資する側にとってみると、自分が投資している企業が社会や環境に配慮出来ていない場合、将来的にブランドイメージが低下することによる業績悪化リスク、優秀な人材が採用できなくなるリスク等があるため、「企業がSDGsの目標を取り入れているか」「SDGsにどう取り組んでいるか」は、投資をするかどうかの判断基準の一つになってきている。そして企業側からするとこの「SDGs」を実現する為には資金が必要になるため、資金調達手段の一つとして期待されているのが「ESG投資」なのである。
また、「ESG」に配慮し「SDGs」への取り組みを行うことは、社会的信頼を獲得する一つの方法でもある。
◆Human abundanceの取り組み、大切にすること
私たちヒューマンアバンダンス株式会社(旧・株式会社ビジネス・サクセスストーリー)(以下、「Human abundance」とする)では、「SDGs」の取り組みを意識した企業とも色々な話をさせて頂く機会がある。その中で感じることは、現状把握の大切さである。見たい情報を表面的に効率的にとらえることによって、適切な認知が出来にくいのである。
企業として「SDGs」のような、未来に向けたが大切なことは理解しつつ、それでは何を変えていけばよいのか、どのような活動をどこどのようなステークホルダー(社員、顧客、株主等企業にとっての利害関係にある相手)と通じて行うべきなのか等、様々な課題が出てくるのである。
例えば上司が社員に対して、未来志向を持ってもらいたいと働きかける際、指示を出すだけでは伝わらない。「こうしろ」「ああしろ」ではやらされるだけであり、根本のところに訴えかけ、相手が自ら動こうというところまで変えることはなかなかできない。
Human abundanceでは、企業において社員の意識を根本的に変えるにはどうしたら良いか、という点を考えた時、社員の意識改革を、「当事者意識」を持たせながら行っていける研修を提供していくことを大切にしている。
「SDGs」に対する認知度も「当事者意識」の一つの現れであろう。私たちが今を当たり前に生活していることが、未来への持続性に黄色信号を灯していることは、自分でその場面を目にしたり触れたりして感じてみなければ、なかなか意識することが無い。その為に、未来の為の世界共通目標が提示されていても、聞いたことが無い、または聞いたことはあっても具体的には何か知らない、ということになる。「当事者」にならなければ、なかなか理解を進めることや行動に移すことは難しいのである。
私たちHuman abundanceはこの「当事者意識」こそを大切にしている。自分たちの当たり前の日常から、職場を飛び出して社会に身をおく、という一歩踏み込んだ目線を提供することで、人の意識の範囲を広げていく。そんな研修の提供を目指している。
そしてその研修の提供を通じて、私たちHuman abundanceも、世界共通目標であるSDGsに貢献していけることを願っている。
※1 朝日新聞社 【SDGs認知度調査 第6回報告】SDGs「聞いたことある」32.9% 過去最高 | 朝日新聞 2030 SDGs (asahi.com)
※2 外務省 SDGsとは? | JAPAN SDGs Action Platform | 外務省 (mofa.go.jp)
外務省HPより、カラフルなアイコンで表現された17のゴールを見ることが出来る
※3 HEDGE.GUIDE 「最近話題の「SDGs」「ESG投資」とは?SDGsとESGの関係や違いも解説」より https://hedge.guide/feature/sdgs-esg-investment-details.html
担当:原