地域づくりを学生と共に(立教大学AISECメンバーとの事例紹介)
地域活性化を学生と共に
どちらの地域でも、地域の高齢化・人口減少が進む中、どのように地域に活力を注入するのがいいのか困惑しています。
実際、スポットでのイベントなど、一時的な盛り上がりは見せるものの、継続的な活動にはならないのが、悩ましいところです。
そのような中で、私たちは以前より、学生と共に地域の活性化に取り組むことが、「地域の未来を創る」と信じて活動をしています。
学生は、デザインの力で地域の課題にアプローチする専門学校生や、グローバル人材を育成しようと活動するNPO組織のメンバーなど多岐に渡ります。
学生と地域活性化に取り組むことは、これまでの経験や知識だけではない若者からの熱量に突き動かされ、地域全体が当事者意識を持って活動が始まります。
それをこれまで、多くの地域で見てきました。
立教AISECメンバーからの提案
グローバル人材の育成を目指して活動しているAISECのメンバーより、弊社に提案がありました。
「海外に日本人大学生を送り出す前に、日本のこともっと知ったうえで、海外に行ってもらいたいと思っています。どうしたらいいでしょうか」
彼らの活動の詳細 → www.aiesec.jp/about-aiesec/
地域には、学生の気持ちに応えるフィールドが沢山あります。
もともと、学生の成長機会にも、弊社の体験型企業研修はもってこいのプログラム。
今回は2泊3日で、彼ら彼女たちと、徳島に行ってきました。
どのような思いで、地域に訪問してくれたか、訪問前の動機コメントをもらいました。
■地域への訪問の志望動機
①自身としてはどのような経験(学習)をし、どのような成長を遂げたいか
②訪問した地域にどのような貢献をしたいと思っているか
Aさん
①自身としてはどのような経験(学習)をし、どのような成長を遂げたいか
地方を肌で感じるという経験を得たいです。
私は専門的な知識はありませんが、日本国内の問題に興味があります。
元々は、海外の貧困地域を助けるようなことがしてみたいという気持ちが強かったのですが、色々な人の話を聞いていくうちに、日本国内の問題に興味を持ち始めました。
例えば、発展途上国のボランティアに参加した人が『発展途上国の子の方が、幸せそうだった。』『日本人は、自分が幸せだと感じている人が少ないのに、先進国のシステムを取り入れることが本当に正解なのか。』とおっしゃっていたこと等です。私はそういう話を聞く前までは、日本が問題を抱えている国だという認識は薄かったのですが、そこで自分の中の認識が変わりました。
私は、千葉県にしか住んだことがないので、もっと色々な地域に訪れ、そこでの実体験を得ることで、地方のいい面も悪い面も知りたいと思います。その中で、その地域で問題となっていることや、その地域の魅力を知りたいと思っています。験学習にしっかりと取り組み、地域の方々と積極的にコミュニケーを取りたいと思います。
②訪問した地域にどのような貢献をしたいと思っているか
訪れた地域の魅力を発信することで、その地域に貢献したいと思います。
情報発信する方法は、①自分が使用している情報発信ツールを利用する②アイセック内部の情報発信ツールを利用する③自分の身の周りの人に自分の経験を伝える という方法があると考えています。
①は、インスタグラムやツイッター、FBなどが挙げられます。情報の公開相手が自分と同じ年代の友達が多いです。その中には、地方に対しての興味が薄い人も多いと思います。私が発信した、情報を見て、地方に興味を持つきかっけになる人もいるのではないかと思います。
②は、アイセックが運営している、経験を共有できる媒体があるので、もしそこに載せていただけるなら、そこでの情報発信など行いたいと思います。③は、2つ日常的に行っていきたいと思います。地方創生に興味がある人に対してや、自分の知り合いなどに経験を語ることで、地域の魅力を知ってもらいたいと思います。
また、体験型企業研修にしっかりと取り組み、地域の方々と積極的にコミュニケーを取ることによって、そこで見つけた地域の問題点があれば、自分がどのようにその問題と関わり、解決の助けになれるか考えていきたいと思います。
Bさん
①自身としてはどのような経験(学習)をし、どのような成長を遂げたいか
徳島という都会とは違う地方の方の暮らしを見学したり、農業体験をしたりすることによって世の中の様々な状況を把握したいと考える。
私はもともと地方出身で周りは畑が広がっていたり、虫と戯れたりして幼い頃を育って来た。そのため、ある程度の地方の理解があり、将来地元に戻って地元の活性化に努めたいとも思っている。
地方の発展に何が必要なのかまずは現状を知ることが必要だと思うし、さらに自分も実際に体験して現場を体験してみることが重要だと思っている。
今回の徳島の研修で今までの自分か体験して来た地方の感覚と、また場所を変えた徳島からの地方という感覚をつかむことを目標にしている。
そうすることで今後地方創生に勤める時に役立つと考えている。
地方創生に努める際に必ずしも一通りしか解決方法ないということはないはずだ。
たくさん解決方法を見つけるタネにするためにも今回の研修でたくさん地方創生要素を見つけたいと思っている。
②訪問した地域にどのような貢献をしたいと思っているか
徳島への研修が3日間しかないため、その短期間で大きく貢献できるものというのは難しいかなと思っている。
しかし、3日間で学んだことを将来の地方創生活動につなげて行くことはできる。
私は郊外活動で毎月1回行われているカタリバ大学という様々な世代の人が思いを持って集結して語り合う場にたまに参加しているため、学びの共有をすることができると思っている。複数の人に共有することで地方の状況や、私の考えを伝えることができるため理解も深まると思う。つまり私ができることとして情報発信だと思う。自分の持ち合わせるコミュニティだったり、SNSを使った発信をすることで地方がどんな感じなのか都内の子達に身近に感じてもらえるようにしたいと考えている。
次年度からアイセックの中で広報の役職に就くため、立教大学アイセックのホームページへの投稿のも考えている。研修生のインターンシップストーリーの中に今回の徳島研修の話も掲載することで、さらに多くの人にもリーチし認知を高めて行くことができる。
Cさん
①自身としてはどのような経験(学習)をし、どのような成長を遂げたいか
高校卒業以来、東京に引っ越し、自然と離れて生活をしている今、普段とは違う場所に身を置き農業を体験することで、野菜ひとつひとつを作る大変さや生産者の思いなどを理解し、日常生活で忘れがちな食に対するありがたみを再確認したいと思っています。
日本は世界で一番食べ物を捨てているといわれている国です。私自身も毎日の食事のなかで何度か食べ物をのこすことがあり、多くの人もそういう経験があるかと思いますが、それは、生産者の思いや苦労などを実際に体験せず、子供のころに親に言うようにいわれた形式的な“いただきます”という言葉を気持ちも込めずに言っているからだと私は思います。
日本は平和であり、食べ物に困っている人が身近にいないため、食に対して考えをめぐらす機会は少ないわけです。私は去年の夏に一度農業を経験したので、生産者の思い、苦労を少しは知っているつもりではありますが、定期的にそれらを学ぶことで食対する考え方を見直し、また忘れないためにも、この機会を貴重なものとしたいです。
②訪問した地域にどのような貢献をしたいと思っているか
前述したように、私は一度ではありますが山形で有機農業のお手伝いをしたことがあります。
そこでは消費者の安全を第一に考える生産者の皆様の姿がありました。ただでさえ大変である農業の作業ひとつひとつを、手間暇を惜しまず丁寧にこなす、当たり前のようで本当に大変なことを楽しそうにこなす山形の方々の姿はとても印象的でした。
したがって、このようにその地域によって異なる特色やこだわりをいちはやく見極め、その思いとおなじ熱量でお手伝いができればなと考えております。また、その地域で学んだことを自分だけが消化し、満足するのではなく、ほかの人たちにも伝えることが重要だと考えます。
若者離れが深刻な農家という職業において、私も始めは‘3K’と呼ばれるきつい、汚い、臭いというイメージがありました。しかし、実際に体験したうえでの感想は、それら以上のやりがいがあるということでした。なので、農業という職業に関して感じたことを正直に、学生目線で友達にしらせることで農業についてもっとよく知ってもらいたいと思います。
こんな思いをもとに、体験に参加してくれました。
学生のことを、一くくりにして、今の若い者は忍耐が足りない、甘いなどという方もいらっしゃいますが、非常に優秀な学生もたくさんいます。
その学生たちが多くの学びを得られるような機会を提供するのが、地域社会、大人の役割でもあります。
そんな機会を地域の皆様と一緒に協働しながら、地域社会の活性化になる繋がりを私たちは生み出しています。
実際に訪問した記録も、彼らがまとめてくれていますので、ご覧ください。
1日目
①いちご狩り・大福作り in イチゴハウス
イチゴハウスは、1年中イチゴが収穫できることを初めて達成したイチゴ農家として日本1に認定されたイチゴ農家。
イチゴ狩りを行った後、採れたてのイチゴでイチゴ大福を作った。
②交流会 in 東みよし町
Human abundance川九社長、OCAの学生さん、行政の方、そらの郷の職員の方々、様々な機関の方が集まり、談話をしながら食事会が行われた。
地域の活性化に積極な方が多く、学生と協働して活動しているところが印象的だった。
③民泊宿泊inイチゴハウス
2日目
①フィールドワークでの成果発表会
OCAの学生達が一年かけて行ったフィールドワークの成果発表を行った。
成果発表終了後、アイセックからは、団体概要説明・普段の活動内容や、これからの地域との関わり方についての発表を行った。
②傾斜地農業体験nつるぎ町猿飼集落
傾斜角42度という急傾斜で行われている農業の体験を行なった。
学生A:難しいですよね
学生B:土が乗らない。
地域の方C:この農具は傾斜の畑に合わせて作られてるから、、市販されてなくて、地域にいる鍛冶屋さんが、オーダーメイドによって作ってるんだよ。
学生B:角度とかひとつひとつ違うんですか❓
地域の方C:そうですね。特に傾斜がきついので、こんな角度になっている、もうちょっと緩いとこだと、もうちょっとゆるくなったりだとか、あと、農家の方の体格に合わせて柄の長さだったりとか、、、これは市販されてないと思いますよ。
学生B:一番傾斜が緩い畑だと、どれくらいですか❓
地域の方C:15度くらいかな。西庄地区はわりかし平坦なところが多いね。
ここみたいに傾斜がきついところは他にはあんまりないと思うよ。
地域の方D:なので、守りたい農地だし、守りたい農法なんだけど、結局この作業が大変で、この作業の時に、外の人の力が必要になるんだよ。
そこで、協働できないかな〜。
もちろん、蚊帳を運ぶのも大変な作業だけど、これだと畝やってって、わかりやすい。
地域の方E:ここ一ヶ月の間に、百人以上の方が、この傾斜地の農法、暮らしを見にきてくれています。
この畑一面に、蕎麦が蒔かれていて。
蕎麦って、手で刈るんです。
蕎麦って、倒れやすくて、機械で収穫できないんです。
結局、ひとの手で狩るしかない。
この一面を何日かかかって、2人でやってるんですよ。
学生B:この肥料、コエグロを蒔くのは、大体、一年に何回ですか❓
地域の方E:一回か二回くらいかな。
上に敷く以外にも、土の中に混ぜ込んだりすることもあります。
そういうので、流れにくくして、台風が来た時に流れたりしたのを、作物を入れる前に、今の土あげっていう作業で、上げるんです。
学生B:畑には、何が埋まってるんですか❓
地域の方E:絹さやと玉ねぎを埋めてます。あとは、ジャガイモ埋めたりとか、一年中稼働してます。
地域の方E:石積みが崩れても、ここだけ直せるっていうことで、比較的復旧が早いです。
これがないと、一気に下まで流れちゃいます。
石垣を作ることで、被害をこの区画だけで食い止めて、そこだけ復旧する、そのために石があるんです。
石垣を作ることで、水はけを良くしたりとか、まっすぐな傾斜だと、水が流れて行ってしまうので、水が流れて行く速度を防いだり、等高線状に沿って、畝が綺麗に引いてあるんですけど、逆に必要な水とか土は、流さないで、置いておくっていう、そういう知恵があります。
水を、過剰すぎてもいけないし、なさ過ぎてもいけないので、適切に管理するための石垣とか、ウネとかっていうものなんですね。
傾斜地の上の休憩所
地域の方E:ずーっとお茶飲んで、ここにいたいくらいの気持ちで。
さっき言った、蕎麦の花咲く時期なんかも、座って1時間過ごしたりとか。
この展望台も、西岡さんの手作りで。
傾斜地農家のおばあちゃんF:そこで作った蕎麦米なんよ。
粒が小さいほど、美味しいの。
大きいほど美味しくない。
香りが少ないんよ、昔から作っとるそば。タネを取っては蒔いて、取っては蒔いてな。
地域の方G:つまり、もう一つ守りたいのは、植物の遺伝子の多様性。
たった一つの遺伝子も持ち込まない。
なので、向こうの畑とちょっと遺伝子の性質が違ったりする、こんな小さい集落の中に、植物の多様性を守り続けてる。
品種改良して、いい実が出来る植物が出来るとするじゃん❓それを固定っていうて、先祖代遺伝するためには、遺伝するしなきゃいけない。
そのためには、もう一回野生種と掛け合わせすんですよ。
野生種は絶対に絶やしちゃいけない。
だから、これは、国際的に見ると、宝物。
生きた動態保存です。
だから、この農法を守り続けたい。
効率化しちゃうと、たった一種類の遺伝子にみんななってしまって、ある日突然、病害虫で全滅する可能性がある。人類にとっては不幸。
一つの遺伝子がダメになっても、生き残る遺伝子がたくさんあれば、食料の保証ができるじゃないですか。
それが人類には必要。
そこを守ろうってわかってくれてる人は、ヨーロッパの人が多い。
傾斜地農家のおばあちゃんF:空気はな、都会と違って綺麗。東京行こうとは思わん、ここで死のうと思って、ここが一番好きじゃ。
都会には生きなくない。
傾斜地の農家おばあちゃんF:これはね。はりはり大根っていうんよ、これ。手切りにするんよ。
地域の方G:何に使うんですか❓
傾斜地農家おばあちゃんF:壺漬け
傾斜地農家のおじいちゃんG:不思議なんやけど、大根が育つ時に、太陽を追っかけて、ねじって育ってくの。
そしたら、その反対に戻ってくる。
で、手で切って、ああいう形にして、さらに漬物にする。
傾斜地農家のおばあちゃんF:今年は猿に2畑全部食べられた、ようけ育て取ったのに、今年の猿ごつい、白菜もようけしとったのに、昨日食われた。はっはっは!
美馬市役所訪問
美馬市役所に訪問し、戦略官と面談を行った。
学生として、地域の戦略館の方とお会いできることは非常に貴重の機会でした。
アイセックとして協力できる可能性などを話し合った。
交流会 in 渕名集落
集落の方々との食事会。地域の方々と様々な会話ができた。
学生A:彼らと一緒にやれればいいなって思うのは、傾斜地での・・・
今日は猿界での土あげを一列やるだけでも大変だという、、
彼女だけしか一列あげられなかったんですよ、、聞いていると傾斜地って行ってみるとやっぱ違うでしょ
地域の方B:芋なんか作ったら斜面転げ落ちる、、
学生A:あれはすごいですよね、、
地域の方C:これまでは生産地として農地としてだけど、今は観光的なやり方だなあ
学生A:元々農業やってらっしゃったんですか❓
もっと広い土地でやってらっしゃったんですか❓
それとも、このくらいの感じで❓
地域の方C:まあ、あの勾配をもうちょっとひろいくらいの面積で農業やってたよ、、
学生A:ほー、、
地域の方B:勾配をさ、緩やかにせず、段々にしなくちゃいけないっていうことは、農業できる面積が減るっていうことじゃん❓安全にやるとなったらこうするのよ。
地域の方D:ところがね、さっきの牛の話が出てくるんですよ。
あの有名な能登の知らずかのセンマイガシラ。
あそこは土で段々を作れるから、ある程度硬いのでないと崩れちゃうんですよ。
石垣は、垂直もしくわ水平で段々にして行く。
そうすると、表面積が広くなる。
だから段々畑の石積みって難しいんやけど、崩れないし、表面が広くなる。
そのテゥノロジー・先祖代々の技術を伝えて行きたいよねーってところもある。
地域の方E:明日また見てもらったらわかるんだけどな、傾斜地を水平にしとるんじゃ。
形を。
そしたらその石垣で、面積が狭まる。
私どものしとんのは、ある程度の勾配に行って、石垣の石済みはしとらんけんど、えらい持っとるわ。
土ばっかしのとこだったら、石垣をつまんと、、
話を聞くと猿界では牛で引いとったらしいぞ、、
地域の方D:なんでも質問して。スリランカ行く前に知っとかんと。
地域の方E:スリランカの主食って何❓
学生F:米❓いや、カレーかな、、
地域の方E:インドって牛は食べんの❓
学生C:牛は神様なんですよ。
地域の方E:スリランカって独立しとんのか❓
地域の方D:30年くらい前に、クーデターがあって、昔はセーロンヌ。
そのもっと昔は、イギリスの植民地。
地域の方E:治安はええとこなんか❓
学生D:日本に比べたら、全然良くないですけど、、
地域の方D:食べ物がな、無しになるんよ。
ここはいけるで。ここにきてくれたらな、水にも案じかない、、
今はな、原種っていうのが無しになったんな。
学者がようでけてな、遺伝子の組み替えばっかしとる。
今、大根にしても白菜にしてもな、品がよすぎるんやな。
タネとって植えて、タネとって植えてやったけどな、ここ4・50年のうちにな、もう新しくなってもうて。
地域の方E:寒の水、、。寒って言ったらその小寒から大寒に入るんでな。
寒っていうのは、年寄りの言い伝えの話じゃけんど、植物がな、寒の時だけは竦んどる。
水分を吐きもせん。
ところが、節分を越すと、地上の方でも芽を出そうかっていう段取りに入ってな、窒素が山の中の色々なものに働いて、落ち葉が腐って行って、腐ることによって、窒素系がな、、、寒の時はそれが絶対ない。
一切動かんけんもん。
今採っとたら1年間腐らんとかいうそういう伝説で、、。
最近じゃったらあの、寒の卵っていうのは一年中腐らんで。
それともう1つはな、獣でもやっぱりその、寒一括でとりよる。
植物が成長もせなじっとおるもんじゃけん、食べるものがまずない。
人にかかってくる。
寒があるだけに、人間に養ってもらわないかんもんやけん、抵抗してこんのよ。
寒に生まれたら一生痴呆症にかからん。
立派なもんで。
地域の方E:それと水っていうのはな、雨が降ったら、土の中にずっと染み込んで行ってしまうんだと思ったらな、大体その1年1mと考えたらいいんよ。
2年だと2m下がっとる。
40m下がっとたら、40年前の水をな、飲んでるような状態になる。
農薬とか心配ない水。
地域の方F:いまの若い子は、都会やったら、心のゆとりってどうなんかな❓
学生G:心のゆとりはあんまりないと思います。
自分の家族とか見ても、温かい雰囲気じゃないっていうか、両親が携帯ばっかりいじっていて、無視されることもありますし、、
Human abundance C:お父さんとあかあさんは幾つなの❓
学生G:50とかです、、。
携帯にはまっちゃって、家族の会話とかを大切にできなかたりしてるなって思います、、。
地域の方D:去年学生さんとお話ししたんだけど、お父さんを一週間くらい見てないとかね、、
私は毎日携帯で娘と話してますよ
Human abundance C:女性にしろ、男性にしろ、入ってくる情報が山ほどありますんで、
ああいう遊び方、こういう楽しみ方、いろんなことやりたいなってなるんですよね。
以前であればそんなに情報がなかったから、やりたいことに関しても、彼女彼らは、情報が莫大なんで、そんなかで選択する難しさもすごくあると思います。
どうやってこれから生きていくかっていうことに関しても、別に家族持ったから子供っていうのも、もうそうじゃないよねっていうようね情報も入ってくる。
難しい時代に生きてるってことです。
学生G:これからどうなりますかね❓
地域の方E:夢を持つって言ったらな、半分以上の人が夢があるか知らんけどな、半分以下の人が夢が無しになる。
そんな時代に入ったと思うん。もう進むだけ進んでもうたしな、、、
地域の方D:夢・希望とかそういうものを語っていた。
学生はみんな若いときみんな自分がみんなその国を変えないかん、変えるんやって。
でも今の人は、最初から答えがあるんよ。で、世の中変えたろっていう思いはあんまり聞かん。
Human abundance C:僕は例えば、それは私たちの責任だと思います。
彼ら、彼女達が言えない状況を作っているのは、私たちだと思うんですよ。
彼らだってやりたいことあるし、どうやってやりたいかっていうのも、私なんかよりよっぽど勉強してます。
受け入れてくれない社会環境がある。
私たちが彼らが夢を語れる様にしていかないといけないなと思う。
彼ら・彼女もやりたいことたくさんありますし、すごい優秀ですから、私たちがサポートしてあげれば、いくらでも可能性たくさんありますし、そう言った意味では心強いなって思いますから。
是非、応援してあげてほしいなって思います。
地域の方D:応援しますよ。
僕ら世代、就職は昭和53年です。
30代はバブル景気。お金がお金を繋ぐ。遊び呆けました。接待しまくり。
そういう時代の人は、無理して頑張らなくてもええやん。
ていう様なことを自分の子供に伝えってしまったんですよ。
そういう意味で、本当に教えないかんものを子供に教えないで、勝手に給料上がっていくよという、高度経済成長時代の生き方を知らない間に子供にえなかで見せた。
それは、反省だと思う。
本当は、もっと努力しないと給料上がらへんし、っていう時代が普通なんやけど、、
Human abundance C:すごかったみたいよ。バブルの時代は。
地域の方D:世界第2の経済大国になって、世界からはエコノミックアニマルて呼ばれてた。でも、国内はバブル景気。そんなバブルの夢を見てしまったので、私たちの責任。
地域の方E:今はまあ、成熟社会だからね。今の人はもっともっとと思うかもわからへん。
欲望にはきりがないからね。
じゃあまあ、いまの学生さんは、社会を背負うってことになって、不安はある❓やっぱり。
学生H:不安ですね、、やっぱり、自分がもし、年金を払うようになって、それが果たして帰ってくるのか
地域の方E:考えて見たらな、ここいらもな、西から西から文化が入ってくる。
昔の道路とか水はな、やっぱ上通っとん。
最近は川沿いを。貞光の方から文化が入って来とる。
地域の方I:私らの頃はな、山から上がってくるキワまで、4キロくらいあるんかな。
その時代は、細い道だったから、カバンを持って、、獣の音がしたり、すごい怖い思いして、往復8キロをな、、
学生H:どんくらい時間かかるんですか❓
地域の方I:学校終わるのは4時とかでしょ❓
冬は、暗くなるの早いから、帰るのも怖くて、んで、昔はタヌキに騙されるってよう言いよった。
そんなことがあって、怖かって、もう怖いところは山を走って上がったり、そんな思いして戻って来た。
今は、車で移動できる時代になったけど、、、
*たくさんのお話を頂いて終了
地域のおじいちゃん、おばあちゃんの感情に少しふれられたような気がしました
農家民泊 in 渕名集落
地域の方A:やっぱ、自分の住んでるとこが1番いい。
私、阿波市に24歳から67歳までおったんよ。
でも、ここに帰ってきて半年過ぎたくらいで。
もう、阿波市に田んぼも家もあるんよ。
せやけど、ココ来て、一緒に野菜作ったりする方が楽しい。
ほんまな、この年になってよう生きとると思うけど、ここら辺の郷土料理ばっかり。
この前、女の人2人、男の人6人来たんやけど、みんな2杯ずつお代わりしてった。
そば米雑炊言うて、、、
学生B:食べました〜〜
地域の方A:どこで食べたん❓
B学生:どこだっけ❓傾斜地農業のとこの、、
地域の方A:貞光の剣城町❓滝あった❓
学生B:ああ〜〜多分そこです。
地域の方A:すごい斜面で2人で畑しよるな。
おじいさんとおばあさんで。私も見たわ。
雨が降るたびに、土が下に流れて来るやんか。
それを上へやる。昔の人はすごいな思うたわ。
あんな傾斜地は、まっすぐ植えないんや。
水はけを良くする為に。
私の親の時代と、私の時代と、あんたらの時代、全然生活がちごうて来るからな。
学生B:私の住んでるところは、割と田んぼが多いです
地域の方A:いいお米取れるね。
自分でとったとこのお米が1番美味しい。
たまに足りなくなってお米買って、割といいもの買ったつもりやけど、うわ、マズーと思うて。
やっぱり、みんなこれを美味しいて食べるんやな。て思うたら、うちの方がよっぽど美味しいて思うけど。
8月くらいから、新米が出て来て買うやん❓せやけど、3割は古い米が入ってる。
せやけん、100パーセント新米って言うのは農家さんから買う以外に無い。
農家もしてくれる人がいるから食べれるんであって、自分でせえ言うてもできんね。
畑仕事、年寄りばっかなんよ。
若い者、しよう言うてもせん。
外国から安いもん輸入し始めて、だいぶ農薬があれになっとるけど、売ってるもんは、農薬使うから、あんな綺麗なものが出来る。
こっちだと虫がついてるから嫌じゃと思うけど、農薬してないから、虫がつく。
移動中の会話
地域の方A:地下深いところで編成した堆積岩。
緑色なので、植物プランクトンが溜まって、堆積した岩が、もっと圧力を受ける。
地下まで行って硬くなって編成。
それがもう一回、地殻運動で上に出てきた状態がこれ。
平たく割れるから、平積みという技法が、古墳時代からこの積み方なの。
飛鳥が古いと言っても、5世紀なんだけど、日本で1番古い古墳は、2世紀の徳島県にある。
学生B:何古墳ですか❓
地域の方A:大谷古墳。鳴門市。で、その石棺の作り方は、平積みという。で、飛鳥ではその平積みが珍しいんですけど、この辺は、もう全部平積み。
で、これはちょっと下手な積み方。
あとは、一番上がね、ちょっと角度を変えて反ったりするんですよ。
で、端っこが弱いから、本当は算木積みにするんですよ。
学生B: へー
地域の方A:もう一つ、田舎の特徴ってさ、家にマーク書いてるんです。屋号。
で、山の集落の人は、屋号で呼び合うんです。
大体、上が便利なんですね〜。
山の尾根が街道になるから、子孫は段々したに発展していくんです。
屋号っていうのは、その集落の中で、あなたは何をする係の人っていう役割分担。
大竹さんみたいな名前があっても、屋号が富岡って言われると、平家の時代に、追ってが追いかけてきたら、『のろしが上がったぞ。』っていうのを見張る係。
自分の息子が、新しく本宅を立てるので、新宅っていう屋号になったりとか、そういうルールがある。
全部みんな屋号が付いてます。っていうのが特徴。
地域の方A:ここが、世界農業遺産の国連大学の人に見せたところ。
斜面の集落って大体、システム的に同じシステムで作られるんですけど、1番てっぺんは、自然林残したまんまにします。
てっぺんさえ崩れなかったら、下は崩れないぞっていう、先人の知恵。
大体家がポツポツとあって、家の周りは普段食べる野菜を作っています。
1番傾斜の角度のきつい上の方は何を作るかというと、ゼンマイ。
ゼンマイが1番換金性が高い。
で、なぜゼンマイが傾斜のきついところで採れるかというと、立ったまま収穫出来るから。
あれ、平地で作ると大変。
なので、1番傾斜のきついところは、ゼンマイ。
普段食べる野菜は家の周り。
水が上から下へどんどん行きますから、一番下の棚田は、水田にします。
というのが、一つの傾斜で使う集落の農業の展開でしょ。
あと大事なのは、周り全部自然林残してるんですよ。
今は、コエグロ、ススキしか使ってないけど、いい肥料にするために、周りの落葉樹を。
そうすると非常にいい肥料になるので、周りは、水源の涵養と落ち葉を拾うための自然林として残ってる。時々、人が手入れるんですね。
クヌギとかを切って間伐して持ってくると、勝手に椎茸生える。
だから、周りの植物資源と、集落の循環農業は、植物資源を含めると、もうちょっと広いエリアで、ちゃんと植物資源が循環してます。
クヌギは一回切ると、30年したら元どおりに戻ります。
そういうサイクルでずっと永遠と。こんな暮らし方をしてます。ということで、、、
3日目
田舎暮らし体験 in 渕名集落
1軒目に訪問したお宅では、古くから保管されているものを観察したり、貴重なお話を聞くことが出来た
【1軒目のお宅訪問】
学生A:これはなんですか❓
地域の方B:これは印鑑じゃ。昔はこれを腰につけてな、、、
地域の方B:これは、家の綿をよってしてある。
学生A:それをまた染めたんですか❓
地域の方B:藍で染めてある。
地域の方B:昭和45年に、農業はあかんと思って、切り替えたのが、この機械。
6畳くらいのマット。
こう言うのこさえてな、昭和63年だったかな。
大体、この辺の女子の人20人位おって。
この辺の人が全部これをよってな、布をこさえて、糸にする人が手伝いに来よって、あみもん縫うたり、それをまた布にして、、、これがまあ地場産業だね。
それが紡績になったり。
調べて見たら、幕末にはもう養蚕が入っていた。
糸を縫って、布をこしらえてそれを地絹って言うものが出来るようになった。
それはかなりのお金になった。
地域の方C:淡路島含めた阿波の国で、明治になって、徳島県になって、明治4年になったら、淡路島の上半分は兵庫県に持ってかれて、その後名前を変えてみょうとう県になって、淡路島取り返して、香川県も明治6年にのめりこんじゃって、そう思えば、3年後に高知県になった。
ようやく明治13年に今の形になった。だからこれ、高知県なんですよね。この当時ドタバタだったんだろうね。
愛媛は宇和島県とか松山県とか今治県とか、、
地域の方B:タバコの農家さんは、貞光の隣町のところで、1年に一回持ってくから、1年分はその町で飲み食いは付けが効く。
それ持ってた時に、まとめて払う。
それくらい、羽振りが良かった。
地域の方B:みんな取られてしもうて、また1から。
地域の方B:昭和40年くらいから、水が通っとる。
Human abundance D:アイセックで、水のテーマでやってるものとかあるの❓
学生E:フィリピンのプログラムで、水質改善をするっていうプログラムはあります。NGOが研修先で、、、
地域の方B:まあ、一番の問題は空き家問題。
考えてもらいたいのは、来た人を集めてな、その土地の文化とか、しきたりを全てを指導してくれなんだ、隣ではな、大変なことが起きておる。
地域の人とあうっていう教育をしてくれれば、お付き合いがうまく行って、助けることもできると思うんじゃけんど、
Human abundance D:確かにそうですね。
Human abundance D:なかなか難しいとこですね。
じゃあ、どんな条件でその町に入れるか入れないかの線引きがあって、行くのか行かないのかっていうのがありますね。
アメリカでは、グリーンカードっていう永住権を得る為のものがあって、条件があるじゃないですか。
市区町村では、そういうのがあるんですかね❓
地域の方E:作る必要はありますね。目に見えてわかりやすいものがないと。
お試し期間というものを設けてもらってもいいかもしれませんね。
Human abundance D:そういった意味では、私たちは、そのような生活を全く送ってないに等しいんですよね。
隣の人と挨拶しないと親が指導しないのは、連れ去られちゃうと困るから、住宅に住んでても、隣の人に挨拶するなというので生活してますので、そう行ったところからこちらに来させていただいて、地域と一緒に掃除してくださいって言われたら、なんで掃除すんの❓ってそもそもが理解できないんだと思うんですよね。
だから、それも慣らして行かないと、なんでもかんでも自分さえよければいいって感じに向かってますんで、ちゃんと準備も含めて、来させて頂いて、やれたらいいなと思うんですよね。
それくらいみんな今、そういう生活を送ってますんで。
地域の方B:こういう集落っていうのは、一つの助け合いっていうんかな、基本や。
何をしても助け合い。
それもないよな❓挨拶しても、せんような感じ。
そこをな、市の方で指導してくれたら、我々ありがたい。
Human abundance D:今、企業の人事のご担当者様も、同じようなことを言ってまして、どこまで指導したら良いか分からないって。
以前なんて、挨拶するのは当たり前じゃないですか、でも、できない人が入ってくるケースがあるらしいんですよ。
じゃあ、それは、人事が教育するのかっていう、それは違うだろうと。
会社入ってくる前に習うことであって、人事がやることじゃないでしょっていう話があったりとかで。
地域の方C:教師もいかんし、生徒もそれを舐めるしっていう悪循環、、。
学生B:先生と生徒が友達みたい、、。
Human abundance D:そういう風にしろって、先生が指導されてますね。
大学の先生なんかも、かわいそうな状況にありまして、研究することが仕事で、生徒を教育するということがあったんですけど、評価が、夏休みに学校周りをするっていう、営業活動ですよね。
それを何個したかが、評価基準になるらしいですよ。
大学の教授って、本来夏休み期間に、しっかりと研究して、それを元に授業に反映させるっていうことができたんで、それを専門に研究した担ですけど、夏休みに何校やりなさいみたいな話になってくると、もうナンノコッチャなんですよね。
だから、そう言った意味でも、大学の先生たちにも厳しいようになってきていて。
そうなると学生たちにどうやって還元できるかっていうと、中々昔みたいにちゃんとしたことを還元できなくなっている実情もある。
だから、そういうのも悪循環。
生徒数が少ないから、生徒数とるためにそういうことしなくちゃいけないってなってくる。
地域の方 C:なんかいびつになって来ますね。
まとめ
地域の活性化には若者のエネルギーは必ず、必要です。
地域の方々は口をそろえて言います。「この地域にはなにもない」と。
しかし、「地域に何もない」のではなくて、住民の皆さんが認識をしづらくなっているということです。
これは当然のことです。
毎日見ている風景は見慣れてきます。そこの大自然があるのも暮らしの一部ですから。
そこに、若者の価値観で、皆さんの地域を見る、触れる、体験することによって
学生としても有意義な時間を過ごすことができますし、
地域の方々も、自分たちの地域の良さを再実感できることが多々あります。
このようなことを、私たちは地域の皆さんとフィールドワークや、交流を通して実現しています。
非常に長文になりましたが、お付き合いいただきまして、ありがとうございました。