【お客様の声】地域と取組む探究プログラム_越境経験によるDX×SX人材開発_サッポロビール労働組合様

日本一の積雪量を誇る「新潟県十日町市」にて体験型人財育成研修をご体感いただいたお二人に取材させていただきました。

Q1.地域で体験型企業研修を実施しようと思われた最初の理由はなんだったのでしょうか?

 サッポロビール労働組合の新しいビジョンを作る中で、「人財の成長」というキーワードや、「個人の成長が会社の成長にもつながるような人財育成」というテーマが出てきていました。前回のビジョンに基づいた活動の中では、それらを具現化することが中々できておらず、今後は是非取り組んでいきたいねという話がありました。

 また、一方で、社会貢献活動についても、今までとは違う切り口で何かできないかと考えていたのですが、そんな時にサントリー食品インターナショナル川本さんが行った、「五感塾」陸前高田の話をお伺いしました。その時、地域で行う体験型企業研修は、①自分も学べ、②赴いた地域の方にファンになっていただけることを知りました。この研修は、もちろん個人の成長もそうですが、地域社会との実際の関りを通じた社会貢献にもなり得るし、会社の成長にもつなげられる可能性があることがわかり、この研修を労働組合でできたら最高だよねという話になったのが実施しようと考えたきっかけです。

Q2.会社の成長につながる人財の成長とは、どのような人財かもう少し詳しくお伺いさせてください。

 どちらの会社にもあることだと思いますが、部門間の交流を図ることによるシナジー効果は必ずあると考えています。部門間の交流がなければ、付加価値を生み出す思考が固定化しかねません。そのため少しでも交流を広げてお互いをもっと知ることで、それぞれの価値観の幅を広げられる人財創出をできたらなと感じています。

Q3.地域での体験型企業研修の実施後、どのような効果を期待されますか?

 実際に体験をした後に、その人の考えや行動が変わることを期待します。多様な価値観を吸収したあと、自分の中で終わらせるのではなく、支部に戻ってこういうこと体験してきたからこういうことができるようになったとか、こんな考え方を新しく身につけられましたとか、そういうことで周りにも影響して行くような人を育成できたらと考えています。

Q4.組合組織の中ではどのような影響を生み出していきたいとお考えですか?

 この研修に参加をすると、視点が一段上がると感じています。社会という広い目線でいろんな人がいることを理解しようという想いに繋がる研修だと感じているので、この研修を受けた組合員が、自分のことだけでなく組織全体のことや、ひいては地域社会全体のことについて考えられるようになったらいいなと感じています。

Q5.人事部の研修とこの御組織が実施しようとお考えのこの体験型企業研修の違いについてどうお考えですか?

 会社の研修は、ゴールが設定されていると思います。こういう人財になりましょうとか、こういう役割を果たせるようにこの考えを身につけていきましょうとかを目指して行くと思うのですが、地域で行う体験型企業研修は、主催者側がゴール設定もできるとは思うのですが、参加する組合員1人1人個人ごとにゴールを定めて研修を行うことが可能です。自分でまずどこを成長したいか考えてもらい、何のために行き、どんな話を聞いて、それをどう伝えてという、個人で様々なことを考え研修を実施することができるところが、特に大きく会社の研修とは違うのかなと感じました。自分自身の成長について自発的に考えることはすごくいい研修だと思っています。

Q6.多様な価値観を受け入れるという観点で「異業種交流会」でも可能なのかというお話もよく上がりますが、体験型の研修だからこそ生み出す成長は何か、お感じのところはありますか?

 組合員からは、多様な価値観を知って成長する機会としては「異業種交流会」でもいいんじゃないかという意見も実際にありました。ただ、体験型人財育成研修を体験した私たちからすると、異業種交流会では得られない成長があったと感じています。多様な価値観という意味でいくと異業種交流会でも得られるものはあるとは思います。ただ、実際に地域に行くことで得られるのは、そこで暮らしている実際の状況のバックボーンを体感した上で、気づいたことについて色々とお話を聞くことができるため、異業種交流会では聞くこともできない、自分との価値観の違いや本当の意味で見えている視点の違いを理解するためのお話を、より深いところまで聞くことができるということが大きな違いだと感じました。そしてこの違いがとても大事だと思いました。

 そもそも今回新潟に到着するまでも、積雪の状況や交通の便について、実際に不便さ含め体感するから感じるものがありました。暮らしのバックボーンを自分が体験してわかることでスッと入る話があるという点は、社外に出て実際に体験をした者でないとわからないと心から実感しています。

Q7.弊社ビジネス・サクセスストーリーと一緒にこの研修をしたいと思っていただけた理由があれば教えてください。

 ヒューマンアバンダンス株式会社(旧・株式会社ビジネス・サクセスストーリー)の川九さんがいるからこそ研修が成り立つなと感じています。地域の人の話も、川九さんがいらっしゃるからこそ、自分たちが必要とする見方や視点が定まります。地域の方は学生の修学旅行の案内をするプロとしてベースがあるので、企業が求めていることを川九さんが間を繋いでくださることで、しっかりと企業人も視座を上げることができるなと感じています。

 下手すると地域の方は地元のいいところをたくさん見せてあげたいというおもてなしの心で私たちを迎えてくださるので、私たちもただのお客さんになってしまう可能性があります。ただ、そこに川九さんがいらっしゃることで、どんな視点で何を見るべきかを見失わずに地域についてしっかり見るということができると感じています。

 そして、ヒューマンアバンダンス株式会社(旧・株式会社ビジネス・サクセスストーリー)さんは、我々に対する人財教育という観点と、地域の活性化という観点の両方やっているというのがいいなと思います。地域の方と川九さんとの交流を見ると、コミュニケーションがきっちりされているなというのが見て取れるのでそこもいいなと感じています。

Q8.今回は貴社には新潟の地域に行って体験型企業研修をしていただきましたが、新潟でお会いいただいた方々の印象やエピソードがあれば教えてください。

 新潟で出会った皆さん芯が強いなと感じました。そこに住む地元の方々は、新潟という場所を自らの意思で選んで、生活をされているとひしひしと感じました。日本最大の積雪量を誇る十日町市で、過疎化も進み、また交通の便も都会のように便利ではない場所に住むことを自分たちで決めて、好きなことを追求しているという芯の強さを感じましたね。

 また、自分の仕事との比較になるのですが、地域の方々は好きなことをして楽しく仕事をしながら生活をしているのが話をしていてわかるんですね。私たちも好きで会社に入っているのですが、入ってみて楽しいことももちろんありますが、大変なことももちろんあって・・・。そのような中、私たちも適応しながら十数年働いています。ただ、新潟の町で、自分とあまり変わらない年齢の人たちが、あれだけ仕事を楽しそうにしているのを見ると、改めて自分たちも今の仕事を選んだ時の気持ちを思い出し、働く目的や生きる目的についても自問自答をすることができました。

Q9.今後も労働組合にこの体験型人財育成研修を取り入れていきたいと感じていらっしゃいますか?

 きっかけとして、この体験型研修を導入していきたいと思っています。教育とか、人間力を高めるというのは他の研修でもできるとは思います。ただこの研修は、体感するということで楽しむこともできるし、自分の中に落とし込むこともできる。自分からもっと人間力を高めたいと思ったり、何かしたいなと思うきっかけの1つになってもらいたいなと思っています。そして、どんどん活動が活性化して行くことで労働組合の活動も活性化していきますし、また体感する組合員の人数が1人ではなくいろんな人が体感することで、この活動を推進するメンバーがたくさんでき、そのメンバーを起点にもっともっと活性化していけたらいいなと思っています。

 そして結果として、この研修を機に、もっと外に出て行くことや、もっと違う人と交流したいなと思うことが出てくるといいなと感じます。そうするとまた新たに違うところのきっかけを作ってくれて、違う活動を後から作ってくれると思っています。

Q10.最後に、この研修の魅力について教えてください。

 楽しみながらというところが改めて他の研修にない、いいポイントだなと思っていますね。川九さんも2割くらいは楽しいを含む研修にするとおっしゃって頂いています。我々のビジョンの中の価値観にも、「楽しむ」というキーワードを入れているのですが、楽しむからこそ、活動したいなとかやってみたいなが生まれると思っています。楽しみながら、普段行かないところに行き体感するというところも、この研修の魅力かなと思っています。

 

<編集後記>
今回、サッポロビール労働組合さんには新潟の雪深い時期に体験型企業研修を行っていただいたのですが、改めて、「多様な価値観の受け入れ」ができる人財への成長のためには「異業種交流会」ではなく、「実際に価値観の全く違う環境に身を置き、そこで暮らす人々のバックボーンを理解すること」でこそ、本質的な多様な価値観の受け入れにまで至ることができる成長があるということを改めて感じました。
決して便利と言える町ではないけれども、この地域を選択し、家族と共に移住を決断した若夫婦の方も新潟県十日町市にはいらっしゃいます。そのような自分とは違う選択をされた方との交流は都会のビジネスマンにとって改めて当たり前の仕事をこなす日々を見つめ直す機会にもなるとのお声もありました。ぜひ広い視野をもち、働き方改革等が進む今だからこそこのような地域で研修を体験いただけたらと思います。